目のクマを完全消去!医師が教える3種類別改善法
目の下のクマが与える印象と影響
目の下にクマがあると、どんなに身だしなみに気を使っていても「疲れている」「老けて見える」「不健康そう」といった印象を与えてしまいます。資生堂の調査によると、目もとのクマがあるだけで実年齢より約4.4歳も老けて見えるという結果が出ています。
私が東京美専クリニックで日々診察する患者様からも、「クマのせいで元気がないと心配される」「メイクで隠しきれない」といったお悩みをよく伺います。実際、企業の調査では「自分の印象を決める顔の中での最も重要なパーツ」として「目もと」が第1位に選ばれています。
クマに悩む方の多くは、市販のアイクリームやマッサージなどを試しても効果を実感できず、諦めてしまっているケースが少なくありません。しかし、クマには実は複数の種類があり、それぞれ原因と適切な対処法が異なるのです。

目の下のクマの3種類と原因
クマには主に「青クマ」「茶クマ」「黒クマ」の3種類があります。私の臨床経験から、多くの患者様は自分のクマがどのタイプなのか正確に把握していないことが多いです。まずは自分のクマのタイプを知ることが、効果的な改善への第一歩となります。
1. 青クマ(血行不良タイプ)
青クマは、目の下の皮膚が薄いために下を流れる血管が透けて見えることで発生します。血行が悪くなると、酸素不足の血液が黒ずみ、青っぽく見えるのです。
主な原因は、睡眠不足や眼精疲労、ストレス、冷え症などによる血行不良です。特にデスクワークやスマートフォンの長時間使用で目を酷使している方に多く見られます。
このタイプのクマは、朝起きた時に特に目立ち、日中に徐々に薄くなる傾向があります。また、目をこすったり強く押したりすると一時的に悪化することもあります。
2. 茶クマ(色素沈着タイプ)
茶クマは、メラニン色素が皮膚に沈着することで生じます。メラニンは紫外線を浴びることで過剰に発生するだけでなく、摩擦などの刺激によっても生成されます。
主な原因としては、紫外線によるダメージ、目をこする癖、スキンケア時の強い摩擦、アイメイクの落とし残しなどが挙げられます。特に、アレルギーや花粉症で目をよくこする方は要注意です。
茶クマは一度できると簡単には消えず、メラニンの排出には時間がかかります。日焼け後のシミと同じように、適切なケアを継続する必要があります。
3. 黒クマ(たるみ・影タイプ)
黒クマは、目の下の皮膚がたるんだり、眼窩脂肪(がんかしぼう)が前に出てきたりすることで影ができ、黒く見えるタイプです。
主な原因は、加齢による皮膚のたるみや弾力低下、目元の筋力低下、眼窩脂肪の突出などです。この脂肪は本来、目を保護するクッションの役割を果たしていますが、加齢や疲労で支える力が弱まると前に突出してしまいます。
黒クマは光の当たり方によって目立ち方が変わり、下から光を当てると影が消えて目立たなくなる特徴があります。
青クマの効果的な改善法
血行不良が原因の青クマは、生活習慣の改善と適切なケアで比較的短期間で効果を実感しやすいタイプです。私のクリニックでも、青クマの患者様には以下の方法を組み合わせることで高い改善率を実現しています。
1. 血行促進マッサージ
目元の血行を良くするマッサージは、青クマ改善の基本です。ただし、強くこすると逆効果になるため、優しく行うことが重要です。
アイクリームや美容オイルを使って指の腹で目の下を内側から外側へ、軽く押すようにマッサージしましょう。朝晩5分程度行うだけでも効果が期待できます。
特に就寝前のマッサージは、睡眠中の血行促進につながるためおすすめです。マッサージ後は、目元を温めると効果が高まります。
2. 温冷ケア
温めと冷やすを組み合わせたケアも効果的です。まず温かいタオルやホットアイマスクで目元を3分程度温め、血行を促進します。その後、冷やしたアイマスクやスプーンで冷やすと、血管が引き締まり、むくみも軽減されます。
朝の目のむくみが気になる方は、冷たいスプーンを目の下に当てるだけでも即効性があります。冷蔵庫で冷やしたスプーンを用意しておくと便利ですよ。
温冷ケアは血管の収縮と拡張を促し、血行を効率的に改善します。週3回程度の継続が理想的です。
3. 生活習慣の改善
青クマの根本的な改善には、生活習慣の見直しが欠かせません。
十分な睡眠時間の確保、スマートフォンやパソコンの使用時間制限、冷たい飲み物より温かい飲み物を選ぶ、適度な運動で全身の血行を促進するなど、日常生活の小さな変化が大きな効果をもたらします。
特に就寝前のブルーライトカットは重要です。寝る1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控え、目と体を休める時間を作りましょう。
これらの方法で改善が見られない場合は、PRP療法などの医療的アプローチも検討する価値があります。

茶クマの効果的な改善法
メラニン色素の沈着による茶クマは、青クマに比べて改善に時間がかかりますが、継続的なケアで確実に薄くすることが可能です。私の臨床経験では、以下の方法を3ヶ月以上続けることで多くの患者様に改善が見られています。
1. 美白有効成分の活用
メラニンの生成を抑える成分を含んだアイクリームの使用が効果的です。ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸などの美白有効成分が配合された製品を選びましょう。
特にビタミンC誘導体は、メラニン生成を抑制するだけでなく、すでにできたメラニンを還元する作用も期待できます。朝晩のスキンケア時に、目元専用の美白アイクリームを優しく塗り込むことをおすすめします。
ただし、目元の皮膚は薄いため、刺激の強い成分は避け、敏感肌用やマイルドタイプを選ぶことが大切です。
2. 徹底した紫外線対策
茶クマ改善の最大のポイントは紫外線対策です。メラニン生成の主な原因である紫外線を徹底的にカットすることで、新たな色素沈着を防ぎます。
日焼け止めは、SPF30以上・PA+++以上のものを選び、目元にも忘れずに塗りましょう。敏感な目元には、低刺激タイプや目元専用の日焼け止めがおすすめです。
また、サングラスや帽子、日傘などの物理的な紫外線対策も併用すると効果的です。室内でも窓からの紫外線は侵入するため、日中は常に対策を心がけましょう。
3. 角質ケアとターンオーバー促進
肌のターンオーバーを正常化することで、メラニンを含んだ古い角質を効率よく排出できます。
ピーリング成分(AHAやBHA)を含む製品で、週1〜2回程度の優しい角質ケアを行うことが効果的です。ただし、濃度の高いものや頻繁な使用は刺激となるため注意が必要です。
また、十分な保湿も重要です。乾燥するとターンオーバーが乱れるため、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分を含むアイクリームで、目元の保湿を徹底しましょう。
医療機関では、より効果的なアプローチとしてケミカルピーリングやレーザー治療なども選択肢となります。特に頑固な茶クマには、医師による適切な治療が効果的です。
黒クマの効果的な改善法
たるみや脂肪の突出による黒クマは、セルフケアだけでは改善が難しいケースが多いです。私のクリニックでは、患者様の状態に合わせて以下のような段階的なアプローチを提案しています。
1. 目元エクササイズ
目の周りの筋肉(眼輪筋)を鍛えることで、軽度のたるみを改善できる場合があります。
簡単なエクササイズとしては、目を大きく開いて5秒キープし、次に強く閉じて5秒キープする動作を10回程度繰り返します。また、目の下に指を当てて軽く引き上げながら、目を閉じる動作も効果的です。
これらのエクササイズを朝晩行うことで、目元の筋肉が徐々に引き締まってきます。ただし、効果を実感するには1〜2ヶ月の継続が必要です。
2. ハイドロゲルアイパッチの活用
ヒアルロン酸やコラーゲンなどの成分を含んだハイドロゲルアイパッチは、一時的にたるみを引き上げる効果があります。
特別なイベントの前日や当日に使用すると、目元がふっくらとして影が軽減されます。冷蔵庫で冷やしてから使用すると、むくみにも効果的です。
ただし、これは一時的な効果であり、根本的な改善にはなりません。定期的なケアの一環として取り入れるとよいでしょう。
3. 医療的アプローチ
黒クマの根本的な改善には、医療機関での専門的な治療が最も効果的です。
当院では、患者様の状態に応じて以下のような治療法を提供しています:
- ヒアルロン酸注入:目の下のくぼみを埋めて影をなくす治療
- PRP療法:自己血液から抽出した成長因子で肌の再生を促進
- 経結膜的脱脂術:まぶたの裏側から突出した脂肪を除去する方法
- ハムラ法:突出した脂肪をくぼみに移動させてフラットにする治療
特に経結膜的脱脂術は、皮膚を切らずに目の下のふくらみを改善できる方法で、当院の人気治療の一つです。顔の表面に傷がつかず、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
また、目の下の凹みが強い場合には、裏ハムラ法という方法も効果的です。これは脂肪を再配置することで、自然な仕上がりを実現します。

クマ改善のための生活習慣と予防法
クマの種類にかかわらず、日常生活での予防と改善のポイントをご紹介します。私の患者様の多くは、これらの習慣を取り入れることで、クマの再発防止に成功しています。
1. 睡眠の質を高める
単に長時間寝るだけでなく、質の高い睡眠を確保することが重要です。
就寝前のブルーライトを避け、規則正しい睡眠スケジュールを維持しましょう。また、枕の高さを調整して、顔に血液が溜まりにくい姿勢で寝ることもポイントです。
私のおすすめは、就寝1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を止め、リラックスできる時間を作ることです。
2. 目元に優しいスキンケア習慣
目元の皮膚は体の中でも特に薄いため、優しいケアが必要です。
メイクを落とす際は、ゴシゴシこすらず、コットンにリムーバーをたっぷり含ませて優しく押し当てるようにしましょう。また、スキンケア製品を塗る際も、指の腹で優しくタッピングするように心がけてください。
アイクリームは、小指の爪程度の少量を目の下全体に広げるのがコツです。量が多すぎるとかえって目元が腫れぼったくなることがあります。
3. バランスの良い食生活
血行促進や肌の再生に役立つ栄養素を意識的に摂取しましょう。
ビタミンC(柑橘類、イチゴ、ブロッコリーなど)、ビタミンE(ナッツ類、アボカド、オリーブオイルなど)、ビタミンK(ほうれん草、ケールなどの緑黄色野菜)は、血管強化や抗酸化作用があり、クマ改善に効果的です。
また、塩分の取りすぎはむくみの原因になるため控えめにし、水分は適度に摂取して代謝を高めましょう。
これらの生活習慣改善と並行して、自分のクマのタイプに合った対策を続けることが、最も効果的なアプローチです。
まとめ:クマ改善への最適なアプローチ
目の下のクマは、タイプによって原因も対策も異なります。自分のクマがどのタイプなのかを見極め、適切な方法で対処することが改善への近道です。
青クマには血行促進、茶クマには美白ケアと紫外線対策、黒クマにはたるみ改善のアプローチが効果的です。また、どのタイプであっても、十分な睡眠、バランスの良い食事、適切なスキンケアなどの基本的な生活習慣の改善が重要です。
セルフケアで改善が見られない場合や、より確実な結果を求める場合は、専門医による診断と治療を検討することをおすすめします。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法をご提案しています。
クマのない明るい目元は、顔全体の印象を大きく変え、自信にもつながります。ぜひ今日から、自分に合ったクマ対策を始めてみてください。より詳しい情報や個別のご相談は、東京美専クリニックまでお気軽にお問い合わせください。経験豊富な医師による丁寧なカウンセリングで、あなたに最適なクマ改善プランをご提案いたします。
著者情報

東京美専クリニック院長 土田諒平
経歴
大分県出身
京都大学工学部物理工学科 卒業
奈良県立医科大学医学部 卒業
ハーバード大学医学部Joslin Diabetes Center 留学
奈良県立医科大学附属病院 勤務
近畿大学奈良病院 勤務
天理よろず相談所病院 勤務
東京美専クリニック 開業
東京大学医学部卒業後、大学附属病院にて形成外科・美容外科の臨床経験を積む。
その後、大手美容クリニックにて年間1,000件以上の施術を担当。
顔面のバランス分析や自然な仕上がりに定評があり、「美しさと調和」の美容医療を提案し続けている。
現在は東京・表参道にある東京美専クリニックにて、院長として診療・施術・カウンセリングを担当。
鼻整形、目元整形、輪郭形成、注入治療などを得意とし、幅広い年代の患者様に対応している。
本記事は、美容外科の現場で多くの施術・カウンセリングを行ってきた経験をもとに執筆しています。
インターネット上の不確かな情報ではなく、医学的知見・現場での実績に基づく情報提供を心がけています。
美容医療に不安を抱える方にもわかりやすく、正確な情報を届けられるよう努めています。
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