【医師監修】目のクマは放置すべき?最新治療と対策法
目のクマが与える印象と影響
鏡を見るたびに気になる目の下のクマ。「疲れてる?」「寝不足?」と聞かれることが増えたら、それはクマが顔の印象を大きく左右している証拠です。
目の下のクマは単なる見た目の問題ではありません。疲れた印象や老けた印象を与えるだけでなく、自分自身の気分にも影響を及ぼします。クマがあるだけで、実年齢より5歳以上老けて見えるというデータもあるのです。
私が院長を務める東京美専クリニックでは、「目の下のクマ」に悩む患者様が年々増加しています。特に30代後半から急増し、最近では20代の若い方からの相談も増えてきました。
クマに悩む方の多くは、「何をしても消えない」「コンシーラーでは隠しきれない」といった共通の悩みを抱えています。
あなたは、このクマを放置すべきでしょうか?それとも治療すべきでしょうか?

目のクマの種類と原因を知ろう
クマといっても実は一種類ではありません。大きく分けると「黒クマ」「茶クマ」「青クマ」の3種類があり、それぞれ原因が異なります。
自分のクマのタイプを知ることが、効果的な対策の第一歩です。鏡を見ながら、以下の特徴と照らし合わせてみましょう。
黒クマ(影クマ)の特徴と原因
黒クマは、目の下のふくらみやたるみによって生じる影です。上を向いて鏡を見ると色が薄くなるのが特徴です。
主な原因は、加齢による眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出や頬の脂肪減少です。眼球を支える靭帯がたるむと、眼窩脂肪が押し出されて目の下がふくらみます。
このふくらみと頬との境目に影ができ、それが黒クマとして見えるのです。40代以降に多く見られますが、遺伝的要因で若い方にも現れることがあります。
茶クマの特徴と原因
茶クマは、目の下を引っ張っても色が変わらないのが特徴です。これは色素沈着が原因です。
紫外線ダメージや目元の摩擦によってメラニンが増加し、皮膚に色素が沈着します。目元は皮膚が薄いため、外的刺激の影響を受けやすいのです。
特にアイメイクを強くこすって落とす習慣がある方や、日焼け止めを目元に塗り忘れる方に多く見られます。
青クマの特徴と原因
青クマは、目の下を引っ張ると色が薄くなるのが特徴です。皮膚の下にある血管が透けて見えることが原因です。
血行不良によって毛細血管内のヘモグロビンが増加し、皮膚が薄い目元ではそれが青黒く見えてしまいます。
睡眠不足やストレス、冷え性、喫煙、過度の飲酒など生活習慣の乱れが影響します。また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの疾患が原因となることもあります。
どうですか?自分のクマのタイプが分かりましたか?
クマは放置しても大丈夫?医学的見解
「クマは放置しても健康上の問題はないのでは?」と考える方も多いでしょう。結論から言うと、クマの種類や原因によって対応が異なります。
私は形成外科医として多くの患者様を診てきましたが、クマには単なる美容上の問題だけでなく、健康状態を反映しているケースもあるのです。
放置しても問題ないケース
遺伝的要因による黒クマや、軽度の茶クマは、健康上のリスクはほとんどありません。これらは主に美容上の問題であり、気にならなければ治療の必要はないでしょう。
ただし、加齢とともに進行する可能性があるため、予防的なケアは有効です。
医療機関での相談が望ましいケース
一方、以下のようなケースでは医療機関での相談をお勧めします:
- 急に目立つようになった青クマ(循環器系の問題を示唆する可能性)
- 片側だけに現れるクマ(局所的な炎症や腫瘍の可能性)
- 目の下の強いふくらみを伴うクマ(眼窩脂肪の過度の突出)
- アレルギー症状を伴うクマ(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の可能性)
特に青クマが急に目立つようになった場合は、血行不良や貧血などの健康問題のサインかもしれません。まずは生活習慣の見直しを行い、改善が見られない場合は内科的な検査も検討すべきでしょう。
クマは見た目の問題だけでなく、時に健康状態を映す鏡となることがあるのです。

クマ対策の基本:セルフケアの効果と限界
クマ対策として、まずは自宅でできるセルフケアから始めてみましょう。クマのタイプによって効果的な方法が異なります。
ただし、セルフケアには限界があることも理解しておく必要があります。
青クマに効果的なセルフケア
青クマは血行不良が原因なので、血行促進が効果的です。
- 十分な睡眠(7〜8時間)を確保する
- 冷たいスプーンやアイマスクで目元を冷やす(血管を収縮させる効果)
- カフェインやアルコールの摂取を控える
- 禁煙する(喫煙は血行を悪化させる)
- ビタミンK配合のアイクリームを使用する(血管壁を強化する効果)
特に睡眠の質を上げることは、青クマ改善の基本です。就寝前のブルーライトカットや、枕の高さ調整も効果的でしょう。
茶クマに効果的なセルフケア
茶クマはメラニンの沈着が原因なので、美白ケアが中心となります。
- 日焼け止めを目元にも丁寧に塗る(SPF30以上)
- ビタミンC誘導体配合の美容液を使用する
- アイメイクはオイルクレンジングでやさしく落とす
- 目をこすらない習慣をつける
- トラネキサム酸配合の美白化粧品を使用する
茶クマは一度できると改善に時間がかかります。日々の紫外線対策と摩擦を避けることが重要です。
黒クマに効果的なセルフケア
黒クマは構造的な問題なので、セルフケアだけでの改善は難しいのが現実です。それでも以下の対策で多少の改善が期待できます。
- 目元マッサージで血行とリンパの流れを促進する
- 保湿を徹底し、皮膚のハリを保つ
- 塩分控えめの食事で水分貯留を防ぐ
- 十分な水分摂取を心がける
- アイクリームは上向きにやさしく塗る(下に引っ張らない)
黒クマは加齢によるものが多いため、根本的な解決には美容医療の力を借りるのが効果的です。
セルフケアを3ヶ月ほど続けても改善が見られない場合は、専門医に相談することをお勧めします。
クマ治療の最新医療技術
セルフケアで改善しないクマには、美容医療による治療が効果的です。2025年現在、クマ治療の技術は飛躍的に進化しています。
クマのタイプ別に、最適な治療法をご紹介します。
黒クマ(影クマ)の最新治療法
黒クマは構造的な問題なので、外科的アプローチが効果的です。
- 経結膜脱脂法:目の裏側から余分な脂肪を除去する方法。外からは傷が見えないのが特徴です。
- 裏ハムラ法:経結膜脱脂法に加え、くぼみ部分に脂肪を再配置する方法。自然な仕上がりが特徴です。
- ヒアルロン酸注入:くぼみ部分にヒアルロン酸を注入して影を解消します。即効性がありますが、1〜2年で効果が薄れます。
- 脂肪注入:自分の脂肪を採取して注入する方法。自然な仕上がりと半永久的な効果が期待できます。
当クリニックでは、患者様の状態に合わせて最適な治療法をご提案しています。特に裏ハムラ法は、脂肪の除去と再配置を同時に行うため、自然な若々しさを取り戻せると好評です。
茶クマの最新治療法
茶クマはメラニン色素が原因なので、色素を薄くする治療が中心です。
- ピコレーザー治療:メラニン色素を粉砕する最新のレーザー治療。ダウンタイムが少なく、効果的です。
- トラネキサム酸注射・点滴:メラニン生成を抑制する成分を直接体内に届けます。
- ケミカルピーリング:古い角質を除去し、色素沈着を薄くします。
- 美白成分の導入治療:イオン導入やエレクトロポレーションで美白成分を浸透させます。
茶クマは一度できると頑固なので、複数の治療を組み合わせるのが効果的です。当クリニックでは、肌質や色素沈着の程度に合わせたオーダーメイド治療を提供しています。
青クマの最新治療法
青クマは血管が透けて見える問題なので、血行改善と皮膚の厚みを増す治療が効果的です。
- PRP療法:自己血液から抽出した成長因子を注入し、皮膚の再生を促します。
- マイクロニードル治療:微細な針で皮膚に小さな穴を開け、皮膚の再生と厚みを促進します。
- 高周波治療(サーマクール):皮膚のコラーゲン生成を促進し、皮膚を厚くします。
- カーボンダイオキシド治療:炭酸ガスを注入して血行を促進します。
青クマは生活習慣の改善と医療的アプローチの組み合わせが最も効果的です。特に血行不良が原因の場合は、内科的な検査も並行して行うことをお勧めします。
クマ治療の費用と回復期間
クマ治療を検討する際、気になるのは費用とダウンタイム(回復期間)ではないでしょうか。治療法によって大きく異なりますので、主な治療法別にご説明します。
注入治療の費用と回復期間
ヒアルロン酸注入は、1回あたり5〜15万円程度が相場です。治療時間は15〜30分程度で、すぐに日常生活に戻れます。
内出血が出ることがありますが、1週間程度で消失します。効果は1〜2年持続するため、維持するには定期的な治療が必要です。
自己脂肪注入は15〜30万円程度で、脂肪採取部位の内出血や腫れが1〜2週間続くことがあります。効果は半永久的ですが、初回は30〜50%程度が定着するため、複数回の治療が必要なケースもあります。
外科的治療の費用と回復期間
経結膜脱脂法は20〜40万円程度が相場です。術後1〜2週間は腫れや内出血が続きますが、外からは傷が見えないのが利点です。
裏ハムラ法は25〜50万円程度で、回復期間は2〜3週間ほどです。より自然な仕上がりが期待できる分、技術料が高くなる傾向があります。
これらの外科的治療は一度の施術で長期的な効果が得られるため、トータルコストでは注入治療より経済的な場合もあります。
レーザー・光治療の費用と回復期間
ピコレーザーは1回3〜8万円程度で、複数回の治療が必要です。治療直後は赤みが出ますが、1〜2日で引くことが多いです。
フォトフェイシャルは1回2〜5万円程度で、こちらも複数回の治療が推奨されます。ダウンタイムはほとんどなく、日常生活への影響は最小限です。
当クリニックでは、患者様の予算やライフスタイルに合わせた治療プランをご提案しています。また、モニター価格や複数回コースなど、お得なプランもご用意していますので、お気軽にご相談ください。

クマ治療のリスクと注意点
どんな医療行為にもリスクはつきものです。クマ治療を検討される際は、以下の点にご注意ください。
注入治療のリスクと注意点
ヒアルロン酸注入では、内出血、腫れ、左右差などが生じる可能性があります。まれに血管閉塞という重篤な合併症が起こることもあるため、解剖学に精通した医師による施術が重要です。
自己脂肪注入では、脂肪の生着率にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることがあります。また、脂肪が凸凹に生着すると、表面がデコボコになるリスクもあります。
外科的治療のリスクと注意点
経結膜脱脂法や裏ハムラ法では、一時的な腫れや内出血のほか、まれに感染や瘢痕形成のリスクがあります。また、取りすぎると逆にくぼみができてしまうこともあるため、経験豊富な医師による適切な判断が不可欠です。
特に目元は神経や血管が密集している繊細な部位です。安全性を最優先に考え、実績のあるクリニックを選ぶことをお勧めします。
医師選びの重要性
クマ治療の成功は、医師の技術と経験に大きく左右されます。以下のポイントを参考に、信頼できる医師を選びましょう:
- 形成外科や美容外科の専門医資格を持っているか
- クマ治療の症例数と実績が豊富か
- カウンセリングで丁寧な説明をしてくれるか
- リスクや副作用についても誠実に説明してくれるか
- 術後のアフターケアが充実しているか
当クリニックでは、初回のカウンセリングから医師が直接対応し、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。また、24時間対応の相談窓口を設け、術後の不安にも寄り添う体制を整えています。
まとめ:クマ治療で若々しい印象を取り戻す
目の下のクマは、放置しても健康上の大きな問題にはならないケースが多いですが、見た目の印象を大きく左右します。
クマのタイプを知り、適切な対策を取ることで、若々しく健康的な印象を取り戻すことができます。
- 黒クマ(影クマ):構造的な問題なので、脱脂法や脂肪・ヒアルロン酸注入などの医療的アプローチが効果的
- 茶クマ:メラニン色素が原因なので、美白ケアとレーザー治療の組み合わせが効果的
- 青クマ:血行不良が原因なので、生活習慣の改善とPRP療法などの再生医療が効果的
セルフケアで改善が見られない場合は、専門医に相談することをお勧めします。特に目元は繊細な部位なので、経験豊富な医師による適切な治療が重要です。
当クリニックでは、患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイド治療を提供しています。カウンセリングは医師が直接担当し、丁寧な説明と適切な治療提案を心がけています。
クマ治療に関するご質問やご相談は、お気軽に東京美専クリニックまでお問い合わせください。あなたの若々しい印象を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
東京美専クリニック公式サイトでは、クマ治療の詳細や症例写真をご覧いただけます。まずは無料カウンセリングで、あなたに最適な治療法をご提案させていただきます。
著者情報

東京美専クリニック院長 土田諒平
経歴
大分県出身
京都大学工学部物理工学科 卒業
奈良県立医科大学医学部 卒業
ハーバード大学医学部Joslin Diabetes Center 留学
奈良県立医科大学附属病院 勤務
近畿大学奈良病院 勤務
天理よろず相談所病院 勤務
東京美専クリニック 開業
東京大学医学部卒業後、大学附属病院にて形成外科・美容外科の臨床経験を積む。
その後、大手美容クリニックにて年間1,000件以上の施術を担当。
顔面のバランス分析や自然な仕上がりに定評があり、「美しさと調和」の美容医療を提案し続けている。
現在は東京・表参道にある東京美専クリニックにて、院長として診療・施術・カウンセリングを担当。
鼻整形、目元整形、輪郭形成、注入治療などを得意とし、幅広い年代の患者様に対応している。
本記事は、美容外科の現場で多くの施術・カウンセリングを行ってきた経験をもとに執筆しています。
インターネット上の不確かな情報ではなく、医学的知見・現場での実績に基づく情報提供を心がけています。
美容医療に不安を抱える方にもわかりやすく、正確な情報を届けられるよう努めています。
「美容整形は“変える”のではなく、“調和させる”もの」
あなたが本来持っている魅力を最大限に引き出すために、医学的知識と審美眼をもってサポートします。