目のクマの3種類を徹底解説!原因と効果的な改善方法
目の下のクマは「老けて見える」「疲れた印象を与える」と多くの方が悩むポイントです。実は、クマには種類があり、それぞれ原因も改善方法も異なります。
私が美容外科医として多くの患者様を診てきた経験から、クマに悩む方は年齢を問わず非常に多いことがわかっています。クマがあるだけで実年齢より平均4.4歳も老けて見えるというデータもあるほどです。

目のクマの3種類とその特徴
クマには主に「青クマ」「黒クマ」「茶クマ」の3種類があります。まずはご自身のクマがどのタイプなのか見極めることが、効果的な改善への第一歩となります。
それぞれのクマタイプには特徴があり、簡単なセルフチェック方法で見分けることができます。
青クマの特徴と見分け方
青クマは、目の下の皮膚が薄いために、皮下の血管が透けて見える状態です。特に色白の方や、生まれつき目の下の皮膚が薄い方に多く見られます。
青クマの見分け方は簡単です。下まぶたを指で軽く引っ張ってみてください。クマの色が薄くなれば、それは青クマの可能性が高いです。これは皮膚を引っ張ることで血管が押しつぶされ、青みが軽減されるためです。
青クマの主な原因は血行不良です。長時間のデスクワークやスマホ使用による眼精疲労、ストレス、冷え、睡眠不足、喫煙などによって血行が悪くなると、血流が滞って酸素不足となります。
酸素不足になった血液は黒っぽく変化し、目の下の薄い皮膚から透けて青黒く見えるのです。目の下の皮膚は顔の他の部分と比べて約1/3程度の薄さしかないため、この現象が特に目立ちやすくなります。
黒クマの特徴と見分け方
黒クマは、目の下のふくらみやたるみが原因で影ができ、黒っぽく見える状態です。
黒クマの見分け方としては、目の下のクマを横にピンと引っ張ってみるか、顔を上に向けて鏡を見てみましょう。クマが目立たなくなったり薄くなったりする場合は、黒クマである可能性が高いです。
黒クマの主な原因は、加齢による目元の筋力低下です。年齢とともに目の周りの筋肉(眼輪筋)が衰えると、目の下にある眼窩脂肪が前方へせり出してふくらみができます。このふくらみによってできる影が、黒クマとして目立つようになります。
また、紫外線ダメージなどによって肌のハリが低下し、たるみが生じることで皮膚の凹凸が黒クマとして現れる場合もあります。実は、目の下のクマの約95%がこの黒クマだと言われています。
これは単なる疲れではなく、加齢や骨格的な要因が大きく関わっているため、睡眠をとるだけでは改善しにくいクマなのです。
茶クマの特徴と見分け方
茶クマは、目の下の皮膚に色素が沈着して茶色くなるタイプです。
茶クマの見分け方は、目の下を引っ張っても色が変わらないかどうかです。クマも一緒に動いたら茶クマである可能性が高いです。
茶クマの主な原因は、紫外線によるメラニン色素の沈着や、クレンジングや洗顔時にゴシゴシと擦ったり、目の下をこする癖があったりすることによる刺激です。また、目元の乾燥や加齢なども原因となります。
目の下の薄い皮膚は、少しの刺激で色素沈着を起こしやすいため、日常的な摩擦や紫外線の影響を受けやすいのです。
目のクマができる根本的な原因
クマの種類ごとに直接的な原因は異なりますが、それらを引き起こす根本的な要因もあります。これらを理解することで、より効果的な対策が可能になります。
加齢による変化
年齢を重ねると、皮膚の弾力性が低下し、皮下組織が薄くなります。特に目の周りは皮膚が薄いため、加齢の影響を受けやすい部位です。
30代以降になると、コラーゲンやエラスチンの生成量が減少し始め、皮膚のハリや弾力が失われていきます。これにより、目の下の皮膚がたるみ、眼窩脂肪が前に出てきやすくなります。
また、加齢とともに皮膚の再生サイクル(ターンオーバー)も遅くなるため、色素沈着が起こりやすくなり、茶クマの原因となることもあります。
生活習慣の影響
不規則な生活習慣は、あらゆるタイプのクマの原因となります。
特に睡眠不足は血行不良を引き起こし、青クマの原因となります。また、長時間のスマートフォンやパソコン使用による眼精疲労も、目の周りの血流を悪くする要因です。
喫煙や過度の飲酒も血行を悪くし、クマを悪化させます。さらに、バランスの悪い食事や水分不足も、肌の健康状態に悪影響を及ぼし、クマを目立たせる原因となります。
日常的に目をこする癖がある方は、刺激により色素沈着を起こしやすく、茶クマができやすくなります。
遺伝的・骨格的要因
クマには遺伝的な要素も大きく関わっています。家族にクマがある方は、同様のクマができやすい傾向があります。
また、骨格的な要因も重要です。目の下の骨(眼窩下縁)の形状によって、影ができやすい方もいます。特に、眼窩が深い方や、頬骨の出っ張りが少ない方は、解剖学的に影ができやすく、黒クマが目立ちやすくなります。
さらに、生まれつき皮膚が薄い方は、血管が透けやすいため青クマができやすくなります。

クマの種類別・効果的な改善方法
クマの種類によって効果的な改善方法は異なります。自分のクマのタイプに合った対策を行うことで、より効果的に改善することができます。
青クマの改善方法
青クマは血行不良が主な原因なので、血行を促進する対策が効果的です。
まず、生活習慣の見直しが重要です。十分な睡眠をとり、長時間のデスクワークやスマホ使用を避け、適度な運動を心がけましょう。
目元の血行を改善するためのケア方法としては、以下の対策が効果的です:
- ホットアイマスクなどで目元を温める
- 優しく目元をマッサージして血行を促進する
- 目の周りのツボを軽く押して血流を改善する
- 温かい飲み物を摂取して体を内側から温める
- 肩や首のこりをほぐし、顔全体の血行を改善する
また、目元専用のアイクリームを使用して保湿を行うことも大切です。血行促進成分が配合された製品を選ぶと、より効果的です。
医療的なアプローチとしては、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの成分を含む美容医療の治療も効果的です。また、当院では脂肪注入による治療も行っています。
黒クマの改善方法
黒クマは目の下のふくらみやたるみが原因なので、それらを改善する対策が必要です。
セルフケアとしては、目元マッサージでリンパの流れを促進することが効果的です。また、冷たいスプーンやアイスパックで目元を冷やすと、一時的にむくみを軽減できます。
しかし、黒クマは構造的な問題が原因であることが多いため、セルフケアだけでは限界があります。根本的な改善には美容医療の力を借りるのが効果的です。
当院では、黒クマに対して以下のような治療を行っています:
- 経結膜的脱脂術:下まぶたの裏側から脂肪を取り出し、ふくらみを改善する施術
- ハムラ法:ふくらみの原因となる脂肪をくぼみへ移動させ、目の下をフラットな状態に整える治療法
- 裏ハムラ:ハムラ法を経結膜的に行う術式で、皮膚を傷つけないため皮膚に傷が出来ない
特に黒クマは、眼窩脂肪の突出が原因であることが多いため、これらの手術的アプローチが非常に効果的です。
茶クマの改善方法
茶クマは色素沈着が原因なので、メラニンの生成を抑制し、すでにある色素沈着を薄くする対策が効果的です。
まず、紫外線対策が最も重要です。日焼け止めを使用し、サングラスをかけるなどして目元を紫外線から守りましょう。
また、目をこする癖がある方は、その習慣を改める必要があります。目元を擦ると刺激となり、色素沈着を悪化させます。
スキンケアとしては、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、ハイドロキノンなどの美白成分を含む目元用クリームを使用することが効果的です。
医療的なアプローチとしては、以下のような治療が効果的です:
- ケミカルピーリング:古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進
- レーザー治療:メラニン色素にアプローチし、色素沈着を薄くする
- 美白成分の導入治療:高濃度の美白成分を肌の奥まで届ける
当院では、茶クマに対してピーリングやレーザー治療など、患者様の肌質や症状に合わせた最適な治療をご提案しています。
クマ改善のための生活習慣改善ポイント
クマの種類に関わらず、生活習慣の改善はクマ対策の基本となります。以下のポイントを意識して日常生活を送ることで、クマの改善や予防につながります。
睡眠の質と量を改善する
十分な睡眠は、肌の再生と修復に不可欠です。特に午後10時から午前2時までの間は、肌の再生が最も活発に行われる「ゴールデンタイム」と言われています。
この時間帯に質の良い睡眠をとることで、肌のターンオーバーが促進され、クマの改善につながります。
また、枕の高さも重要です。高すぎる枕は血行を悪くし、クマを悪化させる可能性があります。自分の体型に合った適切な高さの枕を選びましょう。
目元への刺激を減らす
目元は非常にデリケートな部位です。過度な刺激はクマの原因となるため、以下のポイントに注意しましょう:
- 目をこする癖をやめる
- クレンジングや洗顔時に目元をゴシゴシと擦らない
- 長時間のスマホやパソコン使用を控え、適度に休憩を取る
- コンタクトレンズの装用時間を適切に管理する
特に、目をこする癖は無意識のうちに行っていることが多いため、意識的に止めるよう心がけましょう。
バランスの良い食事と水分摂取
肌の健康を保つためには、バランスの良い食事と十分な水分摂取が欠かせません。
特に、ビタミンCやビタミンE、ビタミンKなどの抗酸化物質を含む食品は、血行促進や肌の再生に役立ちます。緑黄色野菜や果物、ナッツ類を積極的に摂りましょう。
また、塩分の摂りすぎは体内の水分バランスを崩し、むくみの原因となります。塩分控えめの食事を心がけ、十分な水分を摂ることで、体内の老廃物の排出を促進しましょう。

クマ治療における美容医療の選択肢
セルフケアでは改善が難しい場合や、より効果的な結果を求める場合は、美容医療の力を借りるのも一つの選択肢です。当院では、患者様のクマのタイプや症状に合わせて、最適な治療法をご提案しています。
目の下のクマ取り手術
黒クマの主な原因である眼窩脂肪の突出に対しては、手術的アプローチが最も効果的です。当院で行っている主な手術は以下の通りです:
経結膜的脱脂術(切らないクマ治療):皮膚を切らずに下まぶたの裏側から脂肪を除去する手術です。傷が外から見えないため、自然な仕上がりになります。ダウンタイムも比較的短く、黒クマの改善に効果的です。
ハムラ法:ふくらみの原因となる脂肪をくぼみへ移動させ、目の下をフラットな状態に整える治療法です。「脂肪再配置術」とも言われ、くぼみ部分へ固定するため、将来的に脂肪が再度垂れ下がっても再発のリスクが少ないのが特徴です。
裏ハムラ:ハムラ法を経結膜的に行う術式です。皮膚を傷つけないため、傷跡が残りません。目の下の凹みが強く、皮膚のたるみも強くない方に適しています。
注入治療
目の下のくぼみやたるみには、注入治療も効果的です:
ヒアルロン酸注入:目の下のくぼみを埋めることで、影を軽減し、クマを目立たなくします。即効性があり、ダウンタイムもほとんどないのが特徴です。
脂肪注入:自分の脂肪を採取して目の下に注入する方法です。自家組織を使用するため、アレルギーのリスクがなく、長期的な効果が期待できます。特に青クマや黒クマの改善に効果的です。
レーザー・光治療
色素沈着による茶クマには、レーザーや光治療が効果的です:
フラクショナルレーザー:肌の表面に微細な穴を開け、肌の再生を促進します。色素沈着の改善や肌質の向上に効果があります。
IPL(インテンス・パルス・ライト):特定の波長の光を照射し、メラニン色素にアプローチします。茶クマの改善に効果的です。
これらの治療は、クマの種類や症状の程度によって最適な方法が異なります。当院では、カウンセリングを通じて患者様一人ひとりに合った治療法をご提案しています。
まとめ:クマ改善への総合的アプローチ
目の下のクマは、見た目の印象を大きく左右する要素です。クマの種類によって原因も改善方法も異なるため、まずは自分のクマのタイプを正しく把握することが重要です。
青クマ、黒クマ、茶クマのそれぞれに対して、適切なケア方法を選択することで、効果的な改善が期待できます。
日常生活では、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動、紫外線対策、目元への刺激を減らすなどの基本的なケアを心がけましょう。これらの習慣は、クマの改善だけでなく、肌全体の健康にも良い影響を与えます。
また、セルフケアだけでは改善が難しい場合は、美容医療の力を借りることも検討してみてください。当院では、患者様のクマのタイプや症状に合わせて、最適な治療法をご提案しています。
特に黒クマに悩む方には、当院の「切らない目の下のクマ取り・目の下のたるみ取り」治療がおすすめです。皮膚を切らずに下まぶたの裏側から脂肪を取り出す経結膜的脱脂術や、脂肪を再配置するハムラ法など、患者様の症状に合わせた治療をご提供しています。
目元の印象を若々しく、健康的に保つことは、顔全体の印象を大きく変える重要なポイントです。クマの改善を通じて、自信を持って毎日を過ごせるようサポートいたします。
気になる方は、ぜひ一度当院にご相談ください。専門的な診断と、あなたに最適な治療法をご提案いたします。
東京美専クリニックでは、医師によるカウンセリングから施術、アフターフォローまで一貫して対応しています。目の下のクマでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
著者情報

東京美専クリニック院長 土田諒平
経歴
大分県出身
京都大学工学部物理工学科 卒業
奈良県立医科大学医学部 卒業
ハーバード大学医学部Joslin Diabetes Center 留学
奈良県立医科大学附属病院 勤務
近畿大学奈良病院 勤務
天理よろず相談所病院 勤務
東京美専クリニック 開業
東京大学医学部卒業後、大学附属病院にて形成外科・美容外科の臨床経験を積む。
その後、大手美容クリニックにて年間1,000件以上の施術を担当。
顔面のバランス分析や自然な仕上がりに定評があり、「美しさと調和」の美容医療を提案し続けている。
現在は東京・表参道にある東京美専クリニックにて、院長として診療・施術・カウンセリングを担当。
鼻整形、目元整形、輪郭形成、注入治療などを得意とし、幅広い年代の患者様に対応している。
本記事は、美容外科の現場で多くの施術・カウンセリングを行ってきた経験をもとに執筆しています。
インターネット上の不確かな情報ではなく、医学的知見・現場での実績に基づく情報提供を心がけています。
美容医療に不安を抱える方にもわかりやすく、正確な情報を届けられるよう努めています。
「美容整形は“変える”のではなく、“調和させる”もの」
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