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花粉症・アレルギー体質でも鼻整形はできる?術前チェックとリスク管理ポイント

花粉症・アレルギー体質の方が鼻整形を検討する際の基本知識

鼻の形にコンプレックスを抱えている方の中には、花粉症やアレルギー性鼻炎をお持ちの方も少なくありません。「アレルギー体質だと手術は受けられないのでは?」「術後に症状が悪化したらどうしよう」・・・そんな不安を抱えている方も多いでしょう。

結論から申し上げると、花粉症やアレルギー性鼻炎をお持ちの方でも、適切な準備と管理のもとで鼻整形を受けることは可能です。ただし、通常の方よりも慎重な術前評価と、術後のケアが必要になります。

鼻整形は顔の中心に位置する鼻の形を変える繊細な手術です。アレルギー体質の方の場合、鼻粘膜の状態や術後の炎症反応に特別な配慮が求められるため、事前の準備が成功の鍵を握ります。

本記事では、形成外科医として長年鼻整形に携わってきた経験から、花粉症・アレルギー体質の方が安全に鼻整形を受けるための術前チェックポイントとリスク管理について、基本から応用まで詳しく解説します。

アレルギー性鼻炎があっても鼻整形は可能か

アレルギー性鼻炎をお持ちの方でも、鼻整形を受けることは十分に可能です。

ただし、いくつかの重要な注意点があります。鼻を頻繁にかむ習慣がある方は特に注意が必要で、術後に強く鼻をかむことは厳禁となります。鼻整形では鼻の中や周囲に繊細な操作を加えるため、術後の強い鼻かみは腫れや出血、炎症のリスクを高める可能性があるのです。

術後の感染リスクについて

手術後の鼻腔は一時的にバリア機能が低下しています。そこに鼻を頻繁にかむ行為が加わると、粘膜が傷つき、細菌やウイルスが入り込みやすくなります。これが原因で術後に感染を起こすケースもあるため、アレルギー症状のコントロールが重要になります。

実際の臨床現場では、アレルギー性鼻炎の症状が強く出ている時期は手術を避け、症状が落ち着いている時期を選んで施術を行うことが推奨されます。花粉症の方であれば、花粉シーズンを避けたスケジュール調整が必要です。

鼻腔培養検査の重要性

鼻整形前の鼻腔培養検査は、術後感染のリスクを事前に把握し対策を講じるために行われます。鼻腔は黄色ブドウ球菌の常在部位であり、特にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌している場合には手術創部への菌の混入による術後感染のリスクが高まります。

美容目的の鼻手術では感染が起きると仕上がりに大きな支障が出るため、事前にリスク因子をチェックし必要なら除菌などの対策を行うことが重要です。検査でMRSA陽性であれば、術前にその菌を除去するための処置が追加で必要となります。

術前に必ず行うべき健康チェック項目

鼻整形を安全に受けるためには、術前の健康チェックが欠かせません。

特にアレルギー体質の方は、通常の術前検査に加えて、いくつかの特別な評価が必要になります。まず、現在服用している薬の確認です。抗アレルギー薬や点鼻薬を使用している場合、手術前後の服用について医師と相談する必要があります。

アレルギー症状の現状評価

鼻詰まりや鼻水の頻度、くしゃみの回数など、日常的なアレルギー症状の程度を正確に把握することが重要です。症状が強く出ている時期は手術を延期し、症状が落ち着いている時期を選ぶべきでしょう。

また、鼻の機能や形態のチェックも必要です。もともとアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの疾患をお持ちの方が鼻の美容手術を施行されると、手術後のトラブルが多くなりやすい傾向にあります。術前検査や治療により、形成手術後のダウンタイム軽減ができる可能性があります。

鼻腔内視鏡検査とCT検査

鼻の中を内視鏡で直接観察することで、より正確な診断につながります。CTでは鼻と副鼻腔の構造と病変を評価するために有用な検査です。これらの検査により、隠れた副鼻腔炎や鼻中隔の湾曲など、手術に影響を与える可能性のある問題を事前に発見できます。

耳鼻咽喉科と形成外科の両方の視点から手術前のチェックを行い、手術前から治療すべき疾患や手術後にどのような症状やトラブルが出やすいかなど、患者様に合わせた対応や治療方針を提案することが理想的です。

花粉症シーズンと手術時期の調整

花粉症をお持ちの方にとって、手術時期の選択は極めて重要です。

スギ花粉は例年2月から4月にかけて飛散し、ヒノキ花粉は3月から5月にかけてピークを迎えます。この時期に手術を行うと、術後の鼻水やくしゃみにより、手術部位に過度な負担がかかる可能性があります。

最適な手術時期の選び方

花粉症の方が鼻整形を受ける場合、花粉の飛散時期を避けることが基本です。一般的には、6月から12月の間が比較的安全な時期と言えるでしょう。ただし、秋の花粉(ブタクサやヨモギなど)にアレルギーがある方は、その時期も避ける必要があります。

毎年花粉症の症状がひどい方は、本格飛散前の1月中に飛散前治療を行うことが推奨されます。患者様の状況やライフスタイル、毎年の重症度に応じて、レーザー治療、内服治療、外用治療など、適切な治療を選択することが重要です。

術前の症状コントロール

手術の数週間前から、アレルギー症状を積極的にコントロールすることが推奨されます。内服薬や点鼻薬でアレルギー症状を事前にコントロールしておくことで、術後の経過がスムーズになる可能性が高まります。

ただし、決して自己判断で薬の中止や変更はしないでください。術後の飲み合わせには注意が必要なため、必ず主治医に現在の治療内容や薬の服用状況を伝えることが大切です。

術後の鼻水・鼻詰まりへの対処法

術後1〜2週間は鼻の粘膜が浮腫みやすく、鼻水や鼻詰まりが起こりやすくなります。

これは手術による正常な反応ですが、鼻を強くかむことは絶対に避けなければなりません。粘膜が完全に落ち着くまでは2〜4週間程度かかります。無理に刺激を与えると傷の治りが遅れたり、左右差が生じる原因になることもあります。

正しい鼻水の処理方法

鼻水が出たときは、強くかまず優しくティッシュでぬぐうことが基本です。どうしても鼻をかむ必要がある場合は、医師の許可が出てから、片側ずつ力を入れすぎずに軽くかむようにしましょう。

ほとんどの方は2週間程度で症状が落ち着きますが、アレルギー性鼻炎が強い方は1ヶ月近く続くこともあります。1ヶ月以上経っても鼻詰まりや鼻水が続く場合、黄緑色の膿のような鼻水が出る場合、発熱や腫れが強くなってきた場合は、感染や炎症の可能性があるため主治医への相談が必要です。

術後の環境管理

術後2週間は、アレルギーが出そうな場面を極力避けることが重要です。ホコリ、花粉、ペットなどのアレルゲンへの接触を最小限に抑えましょう。室内の清潔を保ち、空気清浄機の使用も効果的です。

また、術後の鼻腔は非常に繊細な状態となるため、鼻をかむタイミングや方法にも細心の注意を払う必要があります。鼻整形は見た目だけでなく、呼吸や嗅覚といった鼻の機能にも関係するデリケートな手術だからです。

感染リスクと予防策

鼻整形における感染は、最も避けたい合併症の一つです。

施術部位に細菌が侵入すると、赤み・腫れ・痛み・発熱などの炎症が現れます。特にプロテーゼを使用した場合、内部に感染が及ぶと薬だけでは治らず、除去が必要になることもあります。衛生管理が徹底された施設での施術と、術後の清潔管理が欠かせません。

術後の清潔管理

手術直後から数日間は医療用テープやギプスでの固定が必要で、この期間は洗顔や洗髪が制限されます。ウェットティッシュやクレンジングティッシュを使用して清潔を保つ工夫が求められるでしょう。

固定期間は施術内容によって異なりますが、おおよそ2〜7日程度が目安です。この期間中は、鼻に力を加えないよう細心の注意が必要になります。洗顔時に鼻を強く擦る、うつ伏せで寝る、メガネをかけるといった行為は避けなければなりません。

感染の早期発見

術後の異常を早期に発見することが重要です。通常と異なる痛みの増加、発熱、異常な腫れ、膿のような分泌物が見られた場合は、すぐに医師に連絡しましょう。

東京美専クリニックでは、術後の患者様の不安に寄り添い、適切なアドバイスを行う専門の24時間無料窓口を設けています。小さなことでも構いません。少しでも不安なことはお気軽に相談できる体制が整っています。

プロテーゼと軟骨移植の選択

アレルギー体質の方が鼻整形を検討する際、使用する素材の選択も重要なポイントです。

プロテーゼ挿入は医療用シリコンを鼻筋に挿入する方法で、半永久的な効果が期待できますが、異物反応や位置のずれといったリスクも存在します。一方、軟骨移植は自分の耳や肋骨から採取した軟骨を使用するため、異物反応が少なく自然な仕上がりが得られます。

軟骨移植の利点

自家組織を使用する軟骨移植は、異物反応や拒絶反応が起こりにくいという大きなメリットがあります。耳介軟骨は柔らかく加工しやすいため、鼻先を高くする目的で用いられ、自然な仕上がりが期待できます。

また、軟骨は他の組織に吸収されにくく、半永久的な効果が続きます。レントゲンにもほとんど写らないため、歯科治療時などにバレる心配も少ないでしょう。ただし、軟骨の採取と加工が必要なため、手術時間はプロテーゼより長くなります。

アレルギー体質に適した選択

アレルギー体質の方の場合、異物反応のリスクを考慮すると、自家組織である軟骨移植が推奨されることが多いです。ただし、どの程度の変化を希望するか、予算、ダウンタイムの許容範囲などを総合的に考慮して決定する必要があります。

東京美専クリニックでは、カウンセラーを配置せず、医師による診察から診断、治療のご提案を行なっています。美容手術は医療行為です。医師による適切な診断のもと、適切に、適正な価格で行われるべきだという信念のもと患者様ファーストで日々診療を行なっています。

ダウンタイム期間の過ごし方

どの鼻整形でも避けられないのがダウンタイムです。

ダウンタイムとは、手術後から通常の生活に戻るまでの回復期間を指します。この期間の長さや症状の程度は、選択する施術方法によって大きく異なります。ヒアルロン酸注入の場合、ダウンタイムは比較的短く、数日程度で日常生活に戻れることが多いです。

腫れと痛みの経過

手術後の腫れは、個人差がありますが1〜2週間程度続くことが一般的です。特に目元のむくみは1週間程度見られます。麻酔が切れた後は鼻周辺に痛みを感じますが、痛み止めの服用でコントロール可能なレベルです。

初日は痛みを強く感じることもありますが、日を追うごとに軽減していきます。内出血が現れた場合も、通常は1〜2週間で自然に消失します。アレルギー体質の方は、炎症反応がやや強く出る可能性があるため、医師の指示に従った抗炎症薬の服用が重要です。

日常生活の制限

固定期間の注意事項を守らないと、プロテーゼの位置がずれたり曲がったりするリスクが高まります。日常生活で少々不便に感じることもありますが、理想的な仕上がりを得るためには必要な期間と言えるでしょう。

運動や入浴、飲酒など、血行を促進する行為は腫れを悪化させる可能性があるため、医師の許可が出るまで控える必要があります。また、メガネの着用も鼻への圧迫を避けるため、一定期間制限されることがあります。

まとめ〜安全な鼻整形のために

花粉症やアレルギー性鼻炎を持っている方でも、正しい知識と対策をもって臨めば、鼻整形を安全に受けることは十分可能です。

ポイントは、術前の体調管理と術後の丁寧なケアです。特に、鼻を頻繁にかむ習慣やアレルゲンへの接触は、術後の炎症や感染リスクを高めるため注意が必要です。術後の数週間は、鼻の粘膜が非常に繊細な状態となるため、鼻をかむタイミングや方法にも細心の注意を払いましょう。

また、鼻整形は見た目だけでなく、呼吸や嗅覚といった鼻の機能にも関係するデリケートな手術です。アレルギー体質を理解し、対応できる医師のもとで施術を受けることが、安全で満足のいく結果につながります。

東京美専クリニックでは、美容皮膚科的な施術から美容外科的な手術まで多岐に渡る治療を一貫して提供し、患者一人ひとりに最適な選択をご提案することが可能です。アレルギー体質があるから不安という方も、一人ひとりと丁寧にカウンセリングを行い、最適な方法を一緒に探していきます。

不安なことや気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。詳細はこちらから:東京美専クリニック

監修者情報

東京美専クリニック院長 土田諒平

経歴
大分県出身
京都大学工学部物理工学科 卒業
奈良県立医科大学医学部 卒業
ハーバード大学医学部Joslin Diabetes Center 留学
奈良県立医科大学附属病院 勤務
近畿大学奈良病院 勤務
天理よろず相談所病院 勤務
東京美専クリニック 開業

東京大学医学部卒業後、大学附属病院にて形成外科・美容外科の臨床経験を積む。
その後、大手美容クリニックにて年間1,000件以上の施術を担当。
顔面のバランス分析や自然な仕上がりに定評があり、「美しさと調和」の美容医療を提案し続けている。
現在は東京・表参道にある東京美専クリニックにて、院長として診療・施術・カウンセリングを担当。
鼻整形、目元整形、輪郭形成、注入治療などを得意とし、幅広い年代の患者様に対応している。

本記事は、美容外科の現場で多くの施術・カウンセリングを行ってきた経験をもとに執筆しています。
インターネット上の不確かな情報ではなく、医学的知見・現場での実績に基づく情報提供を心がけています。
美容医療に不安を抱える方にもわかりやすく、正確な情報を届けられるよう努めています。
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